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■NEWS! & INTERVIEW 元祖ヌーヴェルヴァーグのひとりで、いまも一線で活躍するアニエス・ヴァルダ監督が写真家でアーティストのJR(ジェイアール)とコラボ。 最新ドキュメンタリー『顔たち、ところどころ』公開に合わせて、プロデューサー/女優のジュリー・ガイエの公式インタビューを紹介する。 映画は9月15日(土)からシネスイッチ銀座ほかで順次公開。 |
■1960年代、ヌーヴェルヴァーグ派のひとりとして『5時から7時までのクレオ』や『幸福』で鮮烈に登場したアニエス・ヴァルダ監督。『シェルブールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督夫人としても知られるが、ドゥミ亡きあとも精力的に創作活動を続け、今回は年の離れたフォトアーティスト、JR(ジェイアール)との共同制作が実現した。 |
本作のプロデューサー ジュリー・ガイエ・オフィシャル・インタビュー JULIE GAYET INTERVIEW |
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●私がまだ若き女優だったころ、映画発明百年を記念したヴァルダ監督の作品『百一夜』に出演しました。彼女と交流しているうちに、ルイス・ブニュエルをはじめ、知らなかったいろんな監督の作品を発見させてくれました。その後、私自身の監督作である『シネアスト』(日本未公開)にも出てもらったりもしました。私にとって彼女は家族のようなものです。女性としての生き方、フェミニストとしての精神を学びましたし、市場に媚びることのない映画をつくる闘いがどのようなものかを教えてくれました。彼女との出会いによって、私は映画のプロデューサーになろうと思ったんです。
●当初この映画は、ヴァルダの娘のロザリーがひとりでプロデュースする予定でした。でもファイナンスの問題でなかなかそれが難しい状況だったのです。わたしはとても驚きました。「ヴァルダのような大監督でもお金を集めることがこんなに難しいの?!」と。結局、クラウドファンディングを利用して資金を集めました。シナリオを見た段階ではどんな作品になるかわからないという不安要素はありますが、実際問題、女性映画監督にはやはりガラスの天井があると感じています。小さな予算は付いても、大規模な予算の作品をつくるのは難しい。プロデューサーの仕事は女優の仕事と同じで、監督の頭に入っていくことだと思います。監督がやりたいことを通訳していく。そのために配給や映画祭を選んだり、お金集めだけでなく外部からの目線を監督に伝える仕事だと思います。
●1970年にヴァルダが撮った『Mur mur』というストリートアートの映画を観ると、やっぱり彼女は当時から日常の中で生きている人たちとの会話・心の交流を大切にする人だと実感しました。JRもまったくそ の方向にいるアーティストだと思います。寛容な心を持っていて、黒のサングラスのうしろにとても繊細な「人と触れ合いたい」という気持ちを持っている。もともとふたりとも写真を撮るというところで通じ合うものがあったんですが、「継承する」というテーマを持った映画でもあるんです。目が見えなくなってきているヴァルダが、JRと一緒に写真を撮り残していく。「もう2度とここへは来られないかもしれない」と思いながら、これまで背負ってきた色々なものをJRに受け継いでゆく。舞台は「フランスの田舎」ですが、どこの世界にも 通じる物語です。「人々とふれあうこと」についての、普遍的で誠実な映画だと思います。
●“私は監督であると同時にひとりの女性であり、母である”ということを常に強調してきた人。ヴァルダがむかし、 撮影現場に子どもを連れてきたことをとがめられたときに “ 映画は私にとって重要なものだけど、同時に息子 は私の人生の一部。だからここにいてあたり まえ” とキッパリ答えたエピソード もあります。自分の人生を最優先して、プラ イベートも映画の中に取り込んでしまう。彼女の人生は彼女のクリエイターとしての仕事に反映されているんですよね。私の場合、仕事は仕事、プライベートはプライベートとわけて 考えがちですが、ヴァルダのこの姿勢はほんとうにすごいと思います。彼女からフェミニストの精神を受け継いだと言いましたが、彼女と一緒に作品をつくってから は、「闘う女」ではなく「諦めない女」にな ったと思います。 |
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顔たち、ところどころ |
■Staff&Cast |
■アニエス・ヴァルダ監督 AGNES VARDA |
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