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■フランスの国民的作家として親しまれ、映画監督としても活躍したマルセル・パニョル(1895-1974)。南フランス・プロヴァンスを舞台にした彼の自伝的作品「少年時代」を『わんぱく戦争』のイヴ・ロベール監督(1920-2002)で映画化した2部作『プロヴァンス物語 マルセルの夏』と『プロヴァンス物語 マルセルの城』が、デジタルリマスター4K版として8月4日(土)からYEBISU GARDEN CINEMAほかでリバイバル公開。
ここではロベール監督が生前残したインタビューを合せて紹介する。 |
イヴ・ロベール監督インタビュー |
それにパニョルの文章は美しく寛大で、少しも気取っていない。彼は“僕は特別なことはしてないよ、ただ口述筆記をしただけさ!”と冗談を言ってました。 私は、すでに知り合いだった彼に1963年に会いに行きました。「少年時代」を映画化させてほしいとお願いすると、彼は“あれは自分の最後の映画作品にするつもりだ”と言ったのです。すでに「映画版」と書かれたシナリオも何ページか読みました。彼はさらにこうも言いました。“急いでやらなくちゃ!ぐずぐずしていたら、妻のジャクリーヌが僕の母より年取ってしまうからね!” 彼はジェラルディン・チャップリンを想定していたようでした。その頃からずっと、パニョル以外に「少年時代」を映画化するのは、私しかいないと思っていました。 わたしはプロデューサーのアラン・ポワレといっしょに再度打診に行きました。このときパニョルはノンと言わなかった。「ノン」とも「ウィ」とも。彼は亡くなっていましたから。その後、未亡人のジャクリーヌと義弟のルネは何年もの間、映画化権を譲るのをためらっていたのです。
アランが電話で “もしパニョルの作品をやるなら、全部止められるか?” と聞いてきたとき、“全部いますぐ止めるよ。午後に君のオフィスに行くよ” とわたしは返事をしました。
彼には以前ある役の出演を依頼したことがあったが断られていた。だから今度は慎重に、すぐに会いには行かず脚本とともに短いメッセージを送りました。 ほかに、4〜5カ月の間をともにできる俳優を捜しました。かなり長い撮影期間だからね。わたしは芝居を劇団という概念でとらえていた。ジャン・ロシュフォールとは続けて七本の映画を撮っている。彼の素晴らしい才能に加え、大好きな俳優だったから。
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プロヴァンス物語 マルセルの夏 |
監督:イヴ・ロベール 原作:マルセル・パニョル 出演:フィリップ・コーベール/ナタリー・ルッセル/ディディエ・パン/テレーズ・リオタール/ジュリアン・シアマカ 1990年仏国(111分) 8月4日(土)~YEBISU GARDEN CINEMAほか 配給:オンリー・ハーツ 原題:LA GLOIRE DE MON PERE © 1990 GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION |
story 学校教師とお針子との間に生まれたマルセルは、幼いころから文字を読むのが大好きな少年。両親、弟、生まれたばかりの妹とともに伯母さん夫婦の田舎の別荘で夏のバカンスを過ごすことに。豊かな緑と陽光輝くそこで、マルセルは虫を取ったり、狩猟に出かけた父と伯父を追いかけたり、ふだんとは違う生活を謳歌する。 |
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プロヴァンス物語 マルセルのお城 |
監督:イヴ・ロベール 原作:マルセル・パニョル 出演:フィリップ・コーベール/ナタリー・ルッセル/ディディエ・パン/テレーズ・リオタール/ジュリアン・シアマカ 1990年仏国(99分) 8月4日(土)~YEBISU GARDEN CINEMAほか 配給:オンリー・ハーツ 原題:LE CHATEAU DE MA MERE © 1990 GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION |
story ふたたびの夏のバカンス。友との再会に胸を躍らせるマルセルは、そこで初めての恋を経験する。やがてパニョル一家は、毎週末を別荘で過ごすことになるが、駅からの遠路を重い荷物を持って歩かねばならず、やむを得ずいくつかの大きな邸宅の庭を通り抜ける近道を選択する。ところが気難しい管理人に見つかってしまい…。 |
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