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ニュース! NEWS!                                                            岡田光由
速報!カンヌレポート2017 PART4                                  Report,Text & Photo by Mitsuyoshi Okada

 

 

 

 

 

 

■エキュメニカル賞を受賞した
河瀨直美監督の『光』

キリスト教関係団体によるエキュメニカル賞に選ばれた『光』。映画の内容からして妥当な受賞かもしれない。主演の永瀬正敏と共に授賞式に現れた河瀬監督は「映画は人と人を結び、人種や国境を超えていくもの。このカンヌで一体になれてうれしい」と述べたが、満面の笑みではなかった。明日に控えたパルムドール発表の授賞式が気になっていたのだろう。


 

 

 

 

■有望監督から映画会社の大物社長まで多彩な面々が揃ったある視点部門の授賞式

ユマ・サーマンが審査委員長を務めるある視点部門の授賞式。審査委員賞のミシェル・フランコ(エイプリル・ドウター)、脚本賞のマチュー・アマルリック(バルバラ)らに交じって、アメリカの大手独立系映画会社ワインスタインのハーヴェイ・ワインスタイン社長が『ウィンド・リバー』で監督賞受賞のテイラー・シェリダンの代理で登壇。大賞はイラン映画『LERD』で、黒沢清監督の『散歩する侵略者』は受賞を逃した。

■授賞式後の記者会見で受賞結果を語る審査員団

激しい討論の末の各賞の選出のせいだろうか、授賞式後の記者会見で見せた審査員団の表情には疲労の色も見えた。一番気になった『BPM(ビーツ・パー・ミニット)』がなぜグランプリかの質問に、アルモドバル審査委員長は「みんなこの作品が大好きだったが、民主的な投票で決めた」と。さらに「スクエア」のパルムドール受賞は「とても現代性に富み、想像力に溢れ、面白くておぞましい」と述べた。


 

 

 





■女優賞に輝いたダイアン・クルーガー

女優だったら絶対にほしいカンヌでの女優演技賞。今年はファティ・アキン監督の『イン・ザ・フェイド』で、テロで夫と子供の命を奪ったナチグループに復讐する女性を奮演したクルーガーに。美貌をかなぐり捨てての体当たり演技は当然で、特に秀でたものでもなかったが、今回は単独女優主演映画が少なく、ライバルがいなかったことが幸いした。

 

 

 

 

■グランプリに終わった『BPM』のロバン・カンピヨ監督

映画祭前半のプレス試写から評判の高かった『BPM(ビーツ・パー・ミニット)』は、90年代初めのフランスで対エイズの活動グループ“ACT UPパリ”に参加して闘う若者たちを活写した群像劇。過激な啓発活動に身も心も投じて燃える青春の輝きが印象的だったが、惜しくもパルムドールに次ぐグランプリに。カンピヨ監督も素直に受け入れた。

 

 

 

 

 

 

■パルムドールに
スウェーデン映画『ザ・スクエア』

誰もが『BPM(ビーツ・パー・ミニット)』がパルムドールと予想する中、リューベン・オストルンド監督の「ザ・スクエア」が最高賞に輝き、会場は騒然に。現代美術館の学芸員が様々なトラブルに巻き込まれていくコメディで、その中に現代アート界に生きる人たちヘの辛辣な皮肉が込められている。よく考えれば、これこそ審査員長のアドモドバル好みといえる。

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●フランス映画祭2017 オープニング・セレモニー
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●カンヌレポート2017  PART1
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●カンヌレポート2017 PART4(完)
●セルゲイ・ポルーニン来日!

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