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■11月11日(土)から渋谷・Bunkamuraルシネマほかで公開される『ロダン カミーユと永遠のアトリエ』のジャック・ドワイヨン監督が緊急来日。9月21日(木)に東京・東銀座でティーチインを行った。その公式レポートを紹介。
同作品は今年5月にカンヌ映画祭コンペティション部門に正式出品、その後6月に東京で行われたフランス映画祭にも参加して来日が予定されていたが、ケガのために急遽キャンセルされた経緯がある。 |
<ジャック・ドワイヨン監督ティーチイン オフィシャル・レポート 2017年9月21日(木)東京・東銀座> ■ロダンについてのすべてを知ったうえで脚本を書く必要があったため、6~8か月をかけロダンに関して書かれたあらゆる文献を読み漁ったという。ドワイヨン監督なりのロダン像はフィクションとして魅力的なストーリーが膨らんでいったため、結果的にはドキュメンタリーではない形で完成を迎えることになった。 ■ロダンと自身との共通点を尋ねられると、「ロダンについて心打たれるところは、いきなり石を掘り出す直感の人ではなく、粘土をこれでもかというくらい捏ねて、考え、答えを見つけていくところ。時間をかけて自分の望む形を探し続けていく。例えば<カレーの市民>は5年、<バルザック像>は7年もかけて完成させた。ロダンが準備習作を重ねるように、映画作家である私もまた、1シーンを撮るためにテイクを重ねて“これぞ!”というものを探していく。たとえ自分が脚本を書いていたとしても、いざ俳優たちとの撮影が始まるまではどんなふうになるのかまったくわからない。素晴らしいシーンというのは向こうからわたしのほうへやってくるようなものだ」と回答。「それにしても、ロダンは本当の<バルザック>に至るまで7年かけたのに、私は1シーンに1日しかかけられないのはちょっと不公平だけどね」とジョークもまぜ、お茶目な人柄で会場を和ませた。 ■日本でも大ヒットした『ポネット』(1996年)から約20年。ドワイヨン監督が思う理想的な仕事とは、「俳優たちと関わり、彼らが最も良い演技ができるように環境を整えること」という思いは一貫し変わらない。「相手が4歳の女の子でも大人の俳優でも、基本的に監督が与えられた役割は同じ。1ショットがどんどん長尺になっていったり、テーマは時代によって絶えず変わっていったりはするけれど、いま自分がやりたいという仕事が“最善”なんだと思う。私の中では『ロダン』も『ポネット』も、その理想に向かう姿はさほど変わらないのかもしれない」と独自の仕事観を語った。 |
ロダン カミーユと永遠のアトリエ RODIN |
■Staff&Cast 監督/脚本:ジャック・ドワイヨン |
■ジャック・ドワイヨン監督 JACQUES DOILLON 1944年フランス・パリ出身。 『西暦01年』(73年)で長編監督デビュー。3作目の『小さな赤いビー玉』(75年)は日本でも77年に公開されてドワイヨンの名が知られるようになった。 79年には『あばずれ女』がカンヌ映画祭で新人作品賞を受賞。その後、当時パートナーだったジェーン・バーキン主演の『ラ・ピラート』(84年)を制作。賛否両論呼ぶ鮮烈な作品でドワイヨンの代表作となった。 その後、もうひとつの代表作『ポネット』(96年)を発表。 親日家としても知られる。 |
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